厳選!人気の居酒屋

今回の改定で削除された「えびのチリソース」は、前年の特撰メニューで売れ、定番に加えられたが、予測選択食数度が2.2だったのに、実際は0.5と振るわなかった。
ちょうど1年前1999年の改定時、そんな心の中を土足で踏みにじられるような嫌な″事件“が起きた。 横浜市内の直営店で開かれていた試食会。
Wに本社から至急ファックスが入った。 Wのメニューだ。
なぜいまさら、メニューなど送ってくるのだろう。 そう思った次の瞬間、Wはいきなり頭を殴りつけられたような気がした。

Wのメニューをそっくりまねた、競合店A社の新メニューだった。 違う商品を探すのが難しいほど、よく似ている。
同席していた門司は、もう顔を真っ赤にしている。 Wも驚いたが、不思議に怒りは込み上げてこなかった。
「もう終わったメニューだ。 今、次のステップに全力で取り組んでいる。
この努力は、必ず報われる」今後も同様のコピー企業が現れてくるだろう。 メニューは盗み出せても、決して他社にはまねのできないものを、われわれは持っている。
お客さまを思う心だ。 安心、安全な食へのこだわりだ。
「この心を、これからも大切に育てていこう」。 Wはこの一件で、あらためてそう決心し、社員に呼び掛けた。

ビルの地階から一階にも店舗を広げたのが3年前。 店長のK坂健一を除けば、境はそれ以前から働く最も古いベテラン従業員。
ケチャップと缶詰のソースの元を同量ずつ、ガーリックを加えてよく混ぜ合わせる。 解バスで十分ほどの横浜市栄区に住むS(59)は、パート勤めを始めてから、足かけ4年になる。
居食屋「W」の大船東口店。 午後5時の開店にはまだ問がある昼下がり。
薄暗くがらんとした店内の奥、厨房だけはこうこうと明かりがともり、もう5人の主婦が料理の下ごしらえに忙しく立ち働いている日付シールをはる。 K坂が前日、作業指示書に書き残していった枚数分だけのピザの仕込みが終わりかけたころ、ボイル場担当の主婦が、ゆで上がったばかりのジャガ芋を運び込んできた。
皮をむいてつぶす。 いためたベーコン、ブラックペッパー、塩を混ぜて練り上げる。
一口大に切ったトローリチーズに竹串を刺しておき、下味をつけたポテトを手のひらに広げて包み込む。 後は客の注文を受けてから、衣をつけて揚げるだけだ。

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